甘く切ない君の歌

拗らせヲタクのひとりごと

さくらのような君でした





2015年3月31日。その日は春松竹の千秋楽だった。


彼にとって最後のステージになるかもしれないことは薄々勘付いていた。その予想が外れであってほしい、直接赴くことが出来ない私は、全員が笑って幕を下ろせればいいなと祈るばかりだった。


ジャニーズのファンである以上、自分が応援しているアイドルとの突然の別れは避けては通れない。デビューしていても将来は約束される訳ではない。ましてやJr.。未来なんてあるのかすらわからない。漠然とした不安の中で必死に輝こうとしている、そんな彼らを応援していたい。第一線で活躍するJr.ですら突然舞台の上から姿を消してしまうような場所だとは頭では理解しているつもりだった。でも、心のどこかで、まだでしょ?いずれはその時が訪れるかもしれないけど、まだでしょ?って思ってた。レギュラー番組があるからって、ラジオの仕事があるからって、憧れられる立場にいるからって。今、このタイミングで辞める訳ないじゃん。噂なんて信じたくなかった。


公演が終わるだろうという時間からずっとTwitterに貼り付いた。気が気じゃなかった。胃かキリキリした。何度も何度も検索して画面をスクロールした。彼が本当に辞めるかもしれない、ってレポを見たいわけじゃない。「いつもと変わらなかったよ」「なーんだ、やっぱり私たちの思い込みだよ!」って早く言いたかった。15公演お疲れ様!って真っ先に言いたかった。


なのに、流れてきたレポはどれも悲しくなるものばかりだった。噂されてたことが本当に、実際に、現実になってしまったんだ。信じられない。あり得ない。足が震えた。涙が止まらなかった。現実はあまりにも儚い。


人一倍責任感が強くて、とにかく一生懸命で。関西Jr.のことを人一倍想ってくれていた彼。私の大好きな人が、大好きな人。シンメとして、康二くんよりもダンスが見劣りする部分はあったかもしれない。頑張りすぎて空回りしちゃうこともあったかもしれない。少し自信のなさそうな顔をすることもあった。でも、康二くんに手を差し伸べてくれてたのはいつも彼だった。康二くんのつまらないボケも全部拾ってくれた。康二くんの行き過ぎた暴走を咎めるのは彼にしか出来なかった。6人でわいわいしてる姿も、3人でぎゅーってくっついて幸せそうに笑う顔も、全部全部大好きだった。


自分が今の関西Jr.に必要な存在であることはきっとわかっていたはず。新しい道に行くことを決断するのにどれだけ勇気がいるだろう。どれだけ寂しかっただろう。どれだけ今の夢を諦めることが辛かっただろう。彼はもっと上を目指していたのかもしれない。真面目で真っ直ぐだから、もっともっと広いところを目指していたのかもしれない。


千秋楽の翌日、あらゆるところから彼の名前が消えた。まるで、今まで存在しなかったかのように消えた。数時間前まであったものが突然消えた。そのことも覚悟はしてた。なのに、実際になくなったことを自分の目で確認するだけでこんなにも涙が止まらないなんて思わなかった。千秋楽公演の出来事は夢だったんじゃないかって、実感が湧かないまま過ごしてた1日だったけど、ほんとに居なくなることを実感することがこんなに辛いなんて思わなかった。


こんなに悲しくて、切なくて、やるせなくて、儚くて。でも、最後まで自分のやるべきことを全うしてくれたことがかっこよくて、たくましくて。


最後に涙でいっぱいの目で見たステージからの景色は、どんな景色だったんだろう。涙でいっぱいの目で見た、涙でいっぱいの目をした仲間を見てどんなことを思ったんだろう。


私は向井康二くんのファンだ。だから私の口からは「今まで康二くんの隣にいてくれてありがとう」そんなことしか言えない。彼は康二くんの最高の相方だった。今更引き止めたって戻って来ないんだから辞めないでなんて言わない。彼も、残された仲間も前を向かなければいけない。


金内柊真くん、学生生活の大事な6年間をアイドルでいてくれてありがとう。この経験と決断が将来、良い方向へと繋がることを心から願っています。



ここまでブログを書き進めてきたけれど、週末にテレビをつけても彼の顔が見れなくて、どれだけwebを確認しても彼の名前がない現実はどうやったら受け入れることが出来るのだろうか。綺麗事ばかり並べてみたけれど、まだ、私の空虚感は消えない。